2024年の北海道ツーリングは「特別な旅」になりました。
なぜかというと5泊6日のうち、4日目に起きたエンジントラブルは、人生初のレッカー移動になったからです。
バイク歴39年ではじめての経験でしたが、思考が停止するほど「パニック」になりました。
今回はその時の状況をご報告します。
- 【体験談】大雨の中ツーリングをしていた筆者の末路
- 5泊6日のツーリング・悪夢の4日目が始まる
- 9月27日金曜日「AM5:30」 起床
- 「AM7:20」雨が降り始めた
- 「AM7:40」オイル警告灯が点灯
- 「AM7:50」大雨の中エンジンが停止
- 「AM8:10」途方に暮れる筆者
- 「AM8:20」ロードサービスを呼ぶ
- 「AM8:40」電話ボックスを発見!
- 「AM10:00」助かるも原因不明に困惑
- 「AM10:50」2回目のエンジン停止
- 「AM11:20」大雨の中バイクを押して歩く
- 「PM12:00」小さな集落へ到着!電波が回復
- 「PM1:30」ロードサービスのありがたみを実感
- 「PM1:50」厚岸町から釧路市まで約1時間・60kmを搬送
- 「PM2:00」ツーリングの計画変更
- 「PM3:30」いよいよバイクを診てもらう
- 「PM4:00」大雨による電気系のトラブルの可能性が大きい
- 「PM6:00」ビールの味はしなかった・・
- 9月28日「AM6:00」絶好調のエンジン
- 5泊6日のツーリング・悪夢の4日目が始まる
- ロードサービスは絶対必要!
- 北海道ツーリングで起きた絶望の瞬間・ロードサービスは救世主(まとめ)
【体験談】大雨の中ツーリングをしていた筆者の末路
みなさんはツーリング中にロードサービスを呼ぶほどのトラブルって考えたことありますか?
筆者は考えたことはありませんでした。
でも、まさか自分がロードサービスを呼ぶなんて思ってもみませんでした。
「 うっそでないって・・・・ほんとおっかねがったんだよ!!!(;゚Д゚) 」
5泊6日のツーリング・悪夢の4日目が始まる
前日までの3日間は例年どおり、快調にツーリングをしていました。
初日は厚真町の「こぶしの湯」で温泉を楽しみ、2日目は富良野周辺を堪能しました。
3日目は日本離れした風景の「野付半島」で癒されました。
でも・・4日目の大雨で筆者は「絶望の淵」へ追い込まれたのです!
9月27日金曜日「AM5:30」 起床
その日はかもめの鳴き声で目が覚めました。
昨日に比べると窓の外は少し暗かったので曇っていると感じました。
天気が気になり窓を開けると案の定「濃霧」がたちこめていたのでガッカリしました。
「やっぱり雨降るのかな?」
独り言をいいながら薄暗い窓の外を眺ました。
ひと通り眺めたので深呼吸して窓をピシャリと閉め、ちらかった荷物をバックへ片付け始めました。
今日の予定を考えていたら昨日も夕食以外は「パン」しか食べていなかったことに気が付きました。
「今日のお昼ご飯は、えりも岬でおいしいラーメンを食べよう。」
ツーリングには欠かせない本日の「ご当地グルメ」も決まり、あとは走るだけとなりました。
「AM7:20」雨が降り始めた
砂利の駐車場に止めていた愛車は、濃霧のため全体的に濡れていました。
手ぬぐいで濡れた車体を拭き、バックを積めるように水滴を丁寧に払いました。
庭先まで見送りしてくれている女将さんと、とぎれとぎれの会話をしながらバックを手際よく積込んで準備完了。
運がいいのか悪いのか、そのタイミングで雨が「ぽつぽつ」降り始めたので「カッパ」を着用しました。
小走りに女将さんが玄関まで戻り会釈をしてくれたので、筆者も「ペコリ」と会釈をして出発。
狭い道を抜け国道へ合流するまでの数分間で、雨はあっという間に強くなりました。
「うげ~・・まじかよ~」
思っていた以上に雨が強かったので、うなだれてしまいました。
「AM7:40」オイル警告灯が点灯
走り出して数分後、この時はまだバイクの異変に気付いていませんでした。
大雨と水しぶきの中20分ほど走りました。
雨のせいか、いつもよりスピードを出しているように感じたのでメーターをチラ見。
その時はじめてバイクの異変に気が付きました。
「ん!?・・」
タコメーターの隅にある小さなランプが「赤く点灯」しているように見えたのです。
目の錯覚かと思い何回もチラ見していましたが、はっきり赤色に点灯してきたので顔が青くなりました。
「はぁ?なんでぇぇ!!!」
ここで止まらないでほしいと願いつつも、止まったらどうするか「にわか」に考え始めました。
「AM7:50」大雨の中エンジンが停止
心に焦りを感じながらも、バイクをいたわり走りました。
道の駅「スワン44ねむろ」まであと2kmの看板が見えたので「ホッ」としましたが、そこまでたどり着くか不安です。
「がんばれ!・・がんばれ!・・」
今にも止まりそうな愛車に向かって叫んでも無駄でした。
無情にもエンジンが停止してしまったのです。
「 ・・・ 」
「ザァーーーーー」という雨の音だけが、立ちすくむ筆者の耳に響きました。
「AM8:10」途方に暮れる筆者
エンジンが停止した場所から道の駅まで1kmほどでした。
道の駅まで続く国道は下り坂だったので、押さずに到着。
朝だったこともあり、道の駅はすいていました。
建物の近くへバイクを移動し、雨宿りしながら動かないバイクをぼうぜんと眺めていました。
「AM8:20」ロードサービスを呼ぶ
「ロードサービスを呼ぶしかないべな・・」
バイクの異変を感じてからは、もう「ロードサービス」を呼ぶしかないだろうと思っていました。
余談ですが、今まで「任意保険」のありがたみを感じたことは正直なところなかったけど、この日ばかりは加入していて本当に良かったと思いました。
その思いをしみじみ感じながら、カッパの下にしまっておいたスマホを取り出し、画面を見て絶句しました・・
圏外
トラブルに追い打ちをかけるこの展開に頭が「パニック」になりました。
「AM8:40」電話ボックスを発見!
絶望感の余りしゃがみこんだ筆者。
残された方法は道の駅にある「案内所」に相談するしかない。
しかし開店は30分後の9:00。
何もできないない筆者は、後ろに手を組みながらウロウロと歩くだけだったが、ふと足が止まった。
目を向けたその先に「電話ボックス(公衆用電話)」を発見したのです。
「おおっ!電話ボックス!!!」
小走りに駆けより、扉を開け「蜘蛛の巣」や「虫の死骸」を払いのけながら受話器を取りました。
電話ボックスがこんなに頼もしく見えたことは一度もなかった。
万が一のため財布に忍ばせておいたロードサービスの連絡先カードを取り出し、やっと電話することができたのです。
「AM10:00」助かるも原因不明に困惑
オペレーターさんは冷静且つやさしい口調で対応してくれました。
「もしもし、※※※です。どうなさいましたか?」
声を聞いた瞬間、筆者は「絶望から解放」されたと感じながら、一生懸命説明しました。
ロードサービスとのやりとりを終え、筆者はペットボトルの水を一口飲み安堵の笑みを浮かべたのです。
オペレーターさんとのやりとりした内容は、おおむね次のとおりです。
- 現在の位置
- 現在どのような状況なのか
- 希望
- 被保険者情報
オペレーターさんは情報を整理したのち、現場近くの会社を探して派遣してくれます。
30分ほど待っていると、遠くに「キャリアカー」が見えてきました。
「おお!来てくれた!」
迎えに来てくれた「お兄さん」は大雨の中バイクを積込み、倒れないようにベルトをしっかり固定し根室市内の整備工場まで運んでくれました。
点検はキャリアカーにバイクを積んだまま始まりました。
なぜならロードサービスはキャリアカーから降ろすと、そこでサービスが終了になるからです。
色々点検してもらった愛車はエンジンが復活。
オイルはほぼ規定どおりに入っており「原因はわからない」とお兄さんは首をかしげる。
「しっかりバイクを診てもらうなら釧路市のバイク屋さんまで行った方がいいかも・・」
根室市内にはバイク屋さんは無いので釧路までいく事を進めてくれました。
ここにいてもどうすることもできない・・・
ツーリングを続けるか迷いました。
ここにバイクを預けて道南からバイクを回収しにくる事は考えたくない。
しかもエンジンは復活しているためリスクはあるが再度走ることにしました。
この決断がさらなる悲劇を生むのでした。
「AM10:50」2回目のエンジン停止
オイルポンプ系の不調だと思っていたのでスピードを抑え、ゆっくりと走行していました。
この時も相変わらず大雨が続き、上から下から水しぶきを浴びて走行していました。
それから1時間後・・・・再び悪夢が訪れたのです。
オイルランプが点灯し2回目のエンジン停止。
今度は完全に山の中でした。
スマホが繋がらないことに加え、てクマの存在が気になります。
人生最大のストレスを感じている筆者は、無言で大雨に打たれていました。
「AM11:20」大雨の中バイクを押して歩く
20分ほどたたずんでいたと思います。
このままいてもどうしようもないので、無心でバイクを押し始めました。
平坦な道を「200kgのバイク」を押すのは思ったほど苦にはならなかったが、大型車が跳ね上げる水しぶきは強烈でした。
なぜか足元には小さなカエルが沢山飛び跳ねていました。
避けてバイクを押す余裕はどこにもなく犠牲になったカエルには申し訳ないことをしてしまった・・
「PM12:00」小さな集落へ到着!電波が回復
2kmほど押しました。
しかし体力の限界が頂点へ。
乾ききった喉がへばりつく感じを覚えたが、残念ながら水分を持ち合わせていなかった。
「ちょっとどうするかな・・・」
完全に思考停止。
バイクを押す気力もなくなり、エンジンの再始動を試す。
祈る気持ちでセルを回した。
何回かセルを回した。
「キュルルルル・・・キュルルルル・・・キュルル・ヴォォオン!」
「うお!!やった!!」
この先は上り坂だったのでほっとしました。
でも、「また止まるだろう」と疑っていました。
幸い上り坂を越えた所で小さな集落(厚岸町糸魚沢)に到着しました。
この集落を超えるとまた山道に入ると思ったので、悩んだ末にツーリングをあきらめることにしました。
歩道に停車し、スマホを確認。
「電波はある!」
ここで2回目のロードサービスを呼ぶことにしました。
「PM1:30」ロードサービスのありがたみを実感
再度ロードサービスへ電話をかけました。
位置・状況・保険の加入情報と釧路のバイク屋さんまでのレッカー希望を伝えました。
到着予定時刻はPM1:40分だとオペレーターさんから連絡が入りました。
2回目のロードサービスは予定より10分ほど早く到着しました。
この時整備士さんが「大丈夫ですか~?」とかけてくれました。
その言葉から、体中に血が流れだすのを感じました。
「PM1:50」厚岸町から釧路市まで約1時間・60kmを搬送
釧路市内のバイク屋さんまでは、厚岸町から約1時間くらいの移動。
本来は釧路市内のバイク屋さんまでは自分で移動手段を見つけるべきなのだが、派遣された会社のはからいで同乗して行けることになりました。
車中、ロードサービスの話はもちろん道東の「あるある」など「目からうろこ」のお話しが聞けました。
一期一会の出会いに人の暖かさを感じました。
1時間ほどお話をしてるうちに釧路市内のバイク屋さんに到着。
キャリアカーからバイクを下ろしました。
バイク屋さんまで搬送してくれた整備士のお兄さんには深々とお礼を言って別れました。
ちなみにこの時は大雨もやみ路面も乾いていました。
「PM2:00」ツーリングの計画変更
今回のツーリングは完全に計画が崩れたので4泊目と5泊目の宿をキャンセルし、釧路市内のビジネスホテルを予約しました。
金曜日ということもあり素泊まりで13,000円という高価でした。
しかし暗くなる前に街へ到着し、バイクを診てもらえるのでホテルの値段はあまり気になりませんでした。
「PM3:30」いよいよバイクを診てもらう
釧路オートワン様にお世話になりました。
店内に展示していた「NS250F」に感動し、奥のガレージには「KR250」が密かに置いてありました。
昭和の雰囲気のバイク屋さんは、動かない愛車の事を少々忘れてしまうほど素敵なバイク屋さんでした。
「このバイクだね~」
ひょろっと背が高く気さくな感じのお兄さんが登場して、バイクの診断が始まりました。
おもむろにキーをオンにし、セルを回すと「ヴォーーーン」と何事もなかったようにエンジン始動・・・(~_~;)ナゼ
さらに筆者の愛車で試走してきた結果は意外でした・・
「すこぶる快調!」
ニコニコしながら説明してくれるお兄さんも原因を特定するのに苦労していたようです。
YAMAHAのディーラーに問合せをしてくれたり、電気配線図を確認してくれたりしていました。
「PM4:00」大雨による電気系のトラブルの可能性が大きい
さらに調べた結果「警告ランプの点灯」と「エンジン停止」の関係はなく別問題だということがわかりました。
消去法で原因を探っていったところ最終的に大雨による電気系の不具合ではないかと疑ったのです。
試しに高速洗車機の水を「調子のいいエンジン」にかけてみました。
「ボボボ・・」
一瞬調子が悪くなりました。
「なるほど!雨かもしれないね!」
水がどの配線に影響しているのか詳しく調べないとわからないので、地元に帰ったら詳しく調べてみた方がいいとアドバイスをもらいました。
「PM6:00」ビールの味はしなかった・・
道中万が一のことを考え色々とアドバイスをもらい診断終了。
空気圧や正しいアイドリング回転数の調整までしてくれました。
その後バイク屋さんに深々とお礼を言い、ホテルへ向かいました。
バイクは何事もなかったように走っている。
「やはり大雨の影響だったのかな~」
薄暗くなってきたところで駅前のビジネスホテルへ到着しました。
部屋へはいると同時に、荷物を放り出して床に座り込んでしまった。
そういえば朝から「飲まず食わず」だったことに気づき、せっかくなので夜の街へ出かけました。
疲れすぎたのかビールの味はしませんでした。(◞‸◟)
9月28日「AM6:00」絶好調のエンジン
その夜はほとんど眠れませんでした。
うとうとしながら明日は安全策をとって帯広市内経由で苫小牧まで行こうと考えました。
しかし翌朝走り出してみるとバイクはいつもどおりの調子の良さ。
白糠町の道の駅まで走ってエンジンが絶好調と感じました。
帯広市内経由をやめ、えりも岬経由で一日遅れのラーメンを食べて苫小牧市まで行くことができたのです。
もうできないとあきらめていた「ツーリング」を再開できて本当に良かった。
大変な時に助けて頂いたロードサービスやバイク屋さんのおかげだとしみじみ感じた出来事でした!
ロードサービスは絶対必要!
今年のロングツーリングで任意保険は絶対必要だとしみじみと感じました。
実際に遭ってみないとわからないかもしれませんが、これだけは強くおすすめします。
北海道ツーリングにかかわらずライダーのみなさんは任意保険をぜひ検討してみてください。
もし任意保険に加入していなかったら・・
雪国は1年の内半年ぐらいしか走れないため、1年丸ごと保険に加入するのではなく、シーズン中は必ず加入していました。
もし加入していなかったら「JAF」を利用することになります。
釧路市までのレッカー移動中にお話しを聞いたら、JAFの搬送は20kmまでで、それ以降は料金上乗せになるそうです。
ちなみに筆者が加入している保険は100kmまでは無料なので、釧路市までの約60kmは上乗せ無しでレッカーしてもらうことができました。
ロードサービスは途方に暮れている者にとって「救世主」
1回目は気が動転して支離滅裂な説明だったと思いますが、親切丁寧に対応してくれました。
「9時30分現地到着予定です・・・」という言葉が今でも残っています。
2回目に連絡した時は、なかなか電話がつながらずとても忙しいのだと感じました。
いずれにしても、トラブルに見舞われ途方に暮れている時には非常に心強いと思うはず。
時と場合によってはJAFと使い分けると良いかも
筆者がトラブルに見舞われたのは早朝だったので時間はたっぷりありました。
しかしトラブルが発生した時間が夕方だと焦りは倍増しますよね^^;
釧路市までの移動中お話を聴きましたが、ロードサービスはJAFより時間がかかるそうなので夕方の場合はJAFにお願いする方が良いかもしれません。
地域差や状況によってバラつきはあると思いますが、ロードサービスが40分程度に対しJAFは20分ほどで対応しているそうです。
北海道ツーリングで起きた絶望の瞬間・ロードサービスは救世主(まとめ)
若者にとって任意保険は高額になる場合があるので考えてしまうところがありますが、事故はもちろんトラブルにも対応してくれるので、北海道ツーリングをするなら必ず加入することをお勧めします。
一括見積で安い保険料を探してくれるサービスもありますので、若い人もぜひ検討してみてください。
ただ、釧路までのレッカー移動中にお話しを伺ったんですけど、一日保険みたいな安い保険もありますが、ロードサービスを考えた場合充実していないようなので、よく確認した方が良いそうです。
今回お世話になった方々本当にありがとうございました。
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